2013年11月15日金曜日

九谷青窯の工房を見学してきました! その2

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こんにちは、店長の樋熊です。
じりじりと太陽が照りつける初夏7月に、
石川県能美市にある「九谷青窯」さんを訪問してきました。
 
前回のブログでは、取扱いアイテムを選んでオーダーしたところまで書きましたが、
http://freedesign.jp/blog/2013/10/post_520.html
http://freedesign.jp/blog/2013/11/post_525.html
今回は、いよいよ工房見学です!


これまで、食器がどのように作られているのかについて、
あまり考えることなく使っていましたが、
青窯さんの工房を訪問していろいろ学んできました。

どんな風に作られるのかを知って、自分が感じたことや驚いたことを、
みなさんにも知ってもらいたいので、「青窯のうつわ」が出来る様子を見ていきましょう!


(1)土もみ
陶器は土から作られるってみなさん知っていますか?(もちろん知ってますよね)
まずは、うつわの材料となる陶土を、土練機という機械を使って練っていきます。
水分や固さのムラを無くして土を均質にするため、繰り返し何度も行います。
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(2)成形(ろくろ挽き)
土練機で練った粘土をもとに、ろくろを使って土の塊りからうつわの形に整えていきます。
しんと静まりかえった工房では、みなさん真剣にろくろに向き合っていました。

なんとなく、型にはめたりして作っているのかな?と思っていたので、
ひとつひとつろくろを挽いて、すべて手作業で形を作っているという事実を知って衝撃を受けました。
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ちなみに、飯椀ひとつとっても、それぞれの陶工さんによって大きさや形に違いがあるんです。
(同じ陶工さんが作るものでも、柄や用途によっても違っていたりします。)
たとえば、徳永さんの色絵花繋ぎの飯椀は小ぶりでまるっこい感じですが、
葛西さんの鉄絵矢羽、高原さんの色絵コマなど、それぞれ広がり方やアール、
高台の大きさなどに違いがあるんです。

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(3)乾燥
乾燥室に入れ、乾燥させ形をなじませます。

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(4)素焼き
乾かしただけの状態の生地を約800度で8時間ほど焼き上げます。
素焼きをすることで素地の強度が増して、絵付けや施釉がしやすくなります。

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(5)下絵(したえ)付け
染付呉須(そめつけごす)という絵具を使って、下絵を描いていきます。
こちらもすべて手作業で、一点一点丁寧に描いているんです!

いくら精確に描いたとして、そのときの呉須の調合や筆の具合、
天候などはもちろん、気分や体調によっても変わってくるので、まったく同じものは2つと出来ません。
ちょっと遊びを入れて、わざとずらして描いたりすることもあるそうです。
このように人の手で作られるからこそ、それぞれに味が出てくるんですね。
大量生産では出来ないことです!

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(6) 施釉(せゆう)/本窯
下絵を描いたら、今度は表面に釉薬(ゆうやく)をかけます。
窯に入れ、1250~1300度になるまで約15時間ほど焼いていきます。
高温で焼くことで素地を焼き締め丈夫にします。
釉薬が溶けてガラス状の皮膜を作ることでなめらかさを増し、
表面がコーティングされることで吸水性を抑える役割もあるんですよ。

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(7)上絵(うわえ)付け
本窯で焼きあがったうつわに、呉須や五彩(ごさい)とよばれる上絵具を使って彩色をします。
絵具の色と焼き上がった色は違うので、焼き上がりの色を想像しながら絵付けを行うんです。
見学に行ったときには、ちょうと色絵花繋ぎの絵付けをしているところでした。

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こちらも下絵と同じく、ひとつひとつ色を変えたりしているので、それぞれ違った表情が楽しめます!

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(8)上絵窯
いよいよ最後の工程!上絵窯で800~1000度の間で焼きあげます。
この窯で焼き上がると、未発色の絵具が美しい色に変わります。

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触るとすぐに分かるんですが、釉薬の上から絵付けをしているため、
色が付いている部分がちょっと盛り上がっています。わかりますか?

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(9)完成
ついに完成です!

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青窯のうつわはこのような工程を経て、作られています。

材料となる土から、かたちを作るのも、柄を描くのも、色を付けるのも、
すべてが陶工の手作業によって行われているんです!
これだけの手間隙をかけて作られているのに、使いやすく、価格も抑えられていて、
いろいろ素敵な柄が揃っているとくれば、これだけ人気なのも頷けますよね。

今回、工房にお邪魔させていただいて、こんな風に丁寧につくられていることを知り、
実際にお話を聞かなければわからないことなどもたくさん聞けて、
青窯のうつわに、よりいっそう愛着がわきました。
陶工が丹精込めて作ったうつわ、自分はもちろん、
みなさんにも、長く大切に使っていただきたいと思っています。


それではお待ちかね、徳永遊心さんの色絵花繋ぎが、いよいよ本日より発売開始です!
お皿からマグカップまで全7種類。
在庫も種類もこれだけそろっているお店は他にはありません!

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